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北大苫小牧研究林クラウドファンディング達成!|苫小牧市

北大苫小牧研究林は、2023年3月1日から3月31日までの期間、クラウドファンディングプラットフォームREADYFORに「苫小牧研究林の魅力を伝えたい!〜資料館の休日開放と散策路の整備〜」プロジェクトを投稿しました。183人の寄付者から2,840,000円の寄付金が集まり、応援メッセージも届きました。このプロジェクトは、苫小牧市民だけでなく、全国から北大苫小牧研究林に期待が寄せられていることを示す素晴らしい結果となりました。


READYFORプロジェクト投稿ページ
READYFORプロジェクト投稿ページ

課題:森林資料館・森林記念館を休日にも開館し、樹木園内の案内をリデザイン
【限られた予算】

大学の予算規模が年々減少していく中、開館のための人件費を捻出できない状態です。そのため森林資料館と森林記念館の開館が月に一回(平日)*に限られており、休日に散策してくださる訪問者の皆様に貴重な資料を見ていただくチャンスがほとんどありません。また樹木園の案内看板が不十分で、特に初めていらした方はどのように林内を利用したら良いのか分かりにくいという問題点がありました。

*4月から10月までの毎月、最終金曜日


3月中旬満開のフクジュソウ
3月中旬満開のフクジュソウ

【市民に魅力を届けたい】

職員の日常会話には、『今日はどこどこでネズミが、、』『あっちではキノコが、、、』といったネタが満載でした。こんなワクワクする環境の中、しだいに私はこんなに面白いことが毎日起きているのに、樹木園にきてくださっている一般の方々には何も届いていないという事実に疑問を持つようになりました。そしてこれまで表に出ていなかった情報を発信して共有するためにSNS(Twitter)を始めたり、地元のマイクロツーリズムの冊子(IBURI DOT SITE.)に寄稿したり、樹木園の案内マップを作成したりと魅力を伝えるための活動を始めました。


森林記念館
森林記念館

苫小牧研究林には研究内容や魅力をオンサイト(現地)で伝えられる可能性を秘めた施設があります。それが1977年に設立された森林資料館という森の博物館と1935年に一部が建設された森林記念館です。森林資料館には樹齢数百年を超える巨木の標本群や100年以上前の動物の標本、そして数々の貴重な木工加工品が展示されています。


この施設の魅力を引き出すために、それまでコンセプトもなく雑然と置かれていた標本の整理を大学院生と共同で実施し、テーマ性をもってご覧いただけるように工夫してきました。森林記念館は、教会のような吹き抜けのおしゃれな内装に、かつて林業で使用されてきた道具や昔の写真を展示し、昭和初期にタイムスリップさせるような空間づくりを行ってきました。



課題解決策:月に一度から毎週末開館にしたい

しかし、これらの施設に一般の方が入れるは月に一回、最終金曜日の一般開放日のみという状況でした。これまで限られた予算と人員のなかで工夫を凝らして魅力を伝える努力をしてきましたが、多くの方が訪問される週末に開館する人手を捻出することは金銭的に難しい状況です。そこで今回クラウドファンディングを実施することで週末に開館する資金を皆様から募らせていただけないかと考えました。


また森林資料館・森林記念館の休日開館と合わせて学生と共に展示内容の更新を引き続きおこなっていきます。更に、駐車場や利用に関する案内板を整理することで樹木園全体をリデザインし、多くの皆さんにこの研究林の魅力を伝える仕組みを作ろうと考えました。


【目的その1:森林資料館と森林記念館の休日開館】

現状では開館が4月から10月までの毎月最終金曜日に限られています。今回のご支援で2名の専属スタッフを2023〜2024年度の無雪期(4〜10月)に雇用し、一般の方に利用していただきやすい週末(土、日のいずれか)に森林資料館と森林記念館を開館することを目指します。これまでは見る機会が限られていた貴重な標本や品々を公開する時間を増やすことで、苫小牧研究林の魅力をより一層多くの方々に伝えられるようになります。第二ゴールとして、維持費のかかる積雪期(11〜3月)の開館も目指します。またこの2年間で継続的に施設を維持するための仕組みを構築して、より長い間皆さんにご覧いただけるように努力して参ります。


【目的その2:森林資料館の展示の改良】

研究者が一般の方々に科学的なトピックを伝えることをサイエンスコミュニケーションと呼びます。これまでサイエンスコミュニケーションに興味を持っている学生さんとともに、苫小牧研究林の魅力を知っていただくための改良を行ってきました。たとえば、毛皮を目的として移入された外来種の毛皮を実際に触れるようにし、なぜ移入種が野生化するに至ったのかを手で触って感じ、考えるコーナを設置し、来館者のみなさまにご好評をいただくようになりました。しかし限られた予算しかなく、学生の交通費やバイト代などを支出できないため2ヶ月間の短期活動に終わってしまいました。そのため今回のご支援を学生の交通費とバイト代とし、より継続的に展示の見直しを行っていきます。


樹木園案内MAP
樹木園案内MAP

【目的その3:樹木園の案内板のデザインと再設置】

私たちは苫小牧研究林の一部を皆さんに開放しています。ところが、、初めていらっしゃる方は入っても良いのか?どこまで入っても良いのか?と悩まれて、森の入口までいらしたにも関わらず戻ってしまうことが多いそうです。これはひとえに、わかりやすい案内板が設置されておらず、私たちが伝えたい情報が正しく伝わっていないことによります。この問題を解決するべく、これまで手製の看板を設置したり、地元のデザイナーと共同で園内マップを作成して参りました。


しかし夏は多湿、冬は寒冷な気候に耐えうる、パッとみてすぐ理解できるような大きな看板の設置は困難でした。そこで来林者の皆様にわかりやすく情報をお伝えするために、今回のご支援を大型の看板を各所に配置する費用に使わせていただきます。看板の表示は、わかりやすさと森への親和性を重視し、デザイナーの方と一緒に作成を行います。さらに安定した下地の上に耐候性のある印刷を施し、来林者の皆様にわかりやすい案内板の設置を行っていきます。


幌内川源流
幌内川源流

北大苫小牧研究林が目指すもの:自然と私たちの繋がり

苫小牧研究林は1667年の樽前山の大噴火で2mを超える火山礫に埋もれ、壊滅的な影響を受けた歴史があります。しかし約350年の時を経て、その上に土壌が形成され、皆さんにご覧いただけるような豊かな森林へと変化しました。しかし森を支える土壌の厚さはたった30cm。100年に10cm程度しか成長していませんが、遅いわけではありません。自然が回復していくスピードは、私たち人間の感覚では随分遅いように感じてしまうからです。


この100年の苫小牧の歴史を振り返ると、幌内川下流の勇払原野やその背後にある森林は大きく変貌しました。蛇行しながらウトナイ湖の方に流れていた幌内川は大きく向きを変えさせられ、多くの森林が開発のためになくなりました。破壊することはとても簡単。自然が350年かけてゆっくりと作った森の土は、重機のひとかきで容易に無くなってしまうものなのです。


人間の欲望は果てしないです。いつかこの苫小牧研究林の存在を脅かす事態が来ないとも限りません。そんな時でも苫小牧研究林を、自然と私たちの繋がりを考えるためのサンクチュアリとして恒久的に残していきたい。そのためには大学生への教育に限らず、幅広く一般の方々に対して自然のしくみを発信し、みんなでその重要さを理解する必要性があると考えています。今回の挑戦では、苫小牧研究林を皆さんに知ってもらうことで、自然と人間生活のつながりを一緒に再認識していきたいです。


子供に熱心に教える植竹先生
子供に熱心に教える植竹先生
プロジェクト起案者

植竹淳(北海道大学 北方生物圏フィールド科

学センター 苫小牧研究林 准教授)


苫小牧研究林は市街地からとても近いのに、足を踏み入れると豊かな自然に囲まれています(躊躇せずに入ってきていただいて結構です)。年中無休で開いておりますので、是非いらしてください。その時には今回の支援でお願いする森林資料館や森林記念館の展示物を是非ご覧いただけるようになっているととても嬉しいです。林内を歩いておりましたら気軽に声をかけてください!雪や氷の微生物を研究しています。


▼北大苫小牧研究林360VR


IBURI DOT SITE.からのメッセージ

2022年2月、私たちのメディアが地域の魅力を伝える書籍「IBURI DOT SITE.」を出版しました。この際、植竹先生から「苫小牧研究林の魅力も伝えたい」というお言葉をいただき、その縁でお付き合いさせていただくようになりました。地域の課題は多岐にわたりますが、私たちはまず「伝える」ことが大切だと考えています。声を上げ、仲間に問い、ご意見を拝聴し、仮説検証を繰り返し、課題解決に向けて行動することが必要です。「私たちの環境は私たちで守る」ことが、地域課題解決の心構えだと信じています。


北大苫小牧研究林2.0スタート!

共に苫小牧を楽しもう!



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