2023年1月15日

【苫小牧市】3年を目処に中学休日部活動の段階的地域移行(学校部活動から地域部活動への転換)の考察

 2022年12月に行われたStartup Weekend 苫小牧では、現職中学校教員テツさんのピッチ「チーム名=合同会社スマイル、テーマ=教師の悩み解決」は会場一同が共感する内容であった。その内容とは、テツさん自らの悩みを課題解決したいというもので、業務過多、責任、模範者ではならないという過度なストレスを感じていて、根本原因となる課題は何かと言うと”人の目”であると結論づけた。その人の目という課題解決するには、どうすれば良いか?が、合同会社スマイルの事業プランであった。ピッチの締めくくりでテツさんは「”子供達の幸せ”が最優先事項であるのは当然でありますが、私たち先生の心身共に健康である事が子供達の幸せであると思っています。そして、”子供達のため”は当然であるが、それこそが自分で自分にストレスをかける呪縛です。」との言葉は印象的であった。

 文部科学省、スポーツ庁、文化庁でも同様に課題認識しており、2023年より本格的に「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」を着手する。つまり、中学部活動DX、部活動の地域移行だ。

2022年12月SW苫小牧テツさんのピッチ

苫小牧市 部活動ガイドライン

 苫小牧市教育委員会では令和元年9月(令和3年3月一部改正)に「苫小牧市部活動ガイドライン」を策定された。

▼以下抜粋


(2) 部活動の意義

  • スポーツや芸術・文化及び科学等に親しむことを通してその楽しさを味わい、生涯にわたって豊かな生活を継続する資質や能力を育てる。

  • 体力の向上や健康の増進を図る。

  • 協調性、連帯感、責任感などの涵養を図る。

  • 自主性を育み、自己肯定感を高め、努力による達成感をもたらす。

  • 異年齢の交流の中で、生徒相互が励まし協力しながら生徒同士が好ましい人間関係を構築することや、指導者と指導を通じて触れ合うことにより学 級と異なる人間関係の形成につなげる。

  • 部活動の活動の様子を観察することを通して生徒の状況理解を深めることができる。

部活動は上枠に示したように、各学校の教育課程での活動や取組と結びついて、学校教育が目指す資質・能力の育成を実現する役割の一端を担っているものと考える。 その意義をより効果的・合理的に取り組むためには、学校全体として教職員が 部活動の意義を押さえた上で、部活動の指導・運営に係る体制を構築する必要がある...

(4) 適切な休養日等の設定
 
① 適切な活動時間等
 
部活動は、多くの教育的な意義があり、生徒の人間形成に大きく役立つものではあるが、生徒の教育課程内の活動、部活動、学校外の活動、食事、休養及び睡眠等の生活時間のバランスのとれた生活を送ることができるような活動時間や休養日等の設定が重要である...

③ 休養日設定
 
ア)原則、週2日以上(平日1日、土日1日以上)を設定した上で、1年を52週とし年間累計休業日を104日以上とする...


 という内容であり、特に休日部活動の在り方については、かなり具体的な印象だ。このガイドラインを実現すべく、2023年から3年を目処とする移行期間で、公立中学校における運動部や文化部の休日部活動を地域の民間スポーツクラブやスポーツ少年団などへ外部移行する。複数中学校の合同部活動も対象としている。つまり、中学部活動の民営化だ。一連の改革は苫小牧市のみならず、全国規模で行われる。

まとめ(考察)

 スケートボードショップであり、施設提供、スポーツ教室運営を行うxBoarders BRAYZでは更なるスケートボード発展のため、苫小牧スケートボード連盟(TSF)を発足した。TSFでは「通年の継続的な経験環境の不足」、「選手の時間と経済面の負担過多」の2大課題を解決を目的に発足され、選手育成、指導者育成、設備環境構築、啓蒙周知活動に取り組む。スポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言(令和4年6月6日)の概要」と同様の認識である。

 当方も長きにわたりBRAYZ様を取材させていただいている中で、子供たちの成長を見続けてきた。子供たちは一生懸命に取り組む姿は、とても美しく清々しい。スケートボードが子供たちの成長の一助になり、より多くの子供たちに伝播していくことを切に願っている。

 苫小牧市では、本格的に中学休日部活動の段階的地域移行を推進しようとしている。運動、文化でより豊かに子供たちが成長できる様に、ダイバーシティー中学部活動DXは全国規模で2023年から加速するであろう。

中学部活動の地域移行は

子供たちの未来と

教職員の幸せのために

課題解決の猛者たちSW苫小牧にて

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